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【情報共有】エボラ出血熱の治癒後にインドへ入国したインド人男性【インド日本大使館より】

在留邦人及びインド渡航中の邦人の皆様へ

 こちらは、在インド日本国大使館領事部です。このメールは、当館に「在留届」を提出している方のうち、Eメールアドレスをご記入いただいている皆様(ご本人及び緊急連絡先宛)にお送りしています。


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(件名)

    「エボラ出血熱の治癒後にインドへ入国したインド人男性について」

                  平成26年11月19日19時現在

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1.18日より、リベリアエボラ出血熱の治癒後にインドへ入国したインド人男性について、各種報道がなされております。インド保健・家族福祉省の発表によると、以下のとおりです。
このインド人男性は、リベリアにおいてエボラ出血熱に感染し、9月11日から9月30日まで、現地医療機関で入院治療を受けました。その後、エボラ出血熱は治癒し、リベリア政府によりエボラ出血熱の治癒証明の発行を受け、10日デリーのIGI空港に帰国した際、リベリアでのエボラ出血熱治療歴を申告したため、当局の判断で空港内の専用隔離施設に隔離されました。
 この男性の血液サンプルは、エボラ出血熱ウイルスの検査陰性でしたが、精液サンプルでエボラ出血熱ウイルスの検査陽性と判定されました
 この男性は、現在無症状ですが、今後、精液などの体液からエボラ出血熱ウイルスが検出されないことが確認されるまで、最大90日間、同施設内に隔離される模様です。
インド保健・家族福祉省は、今回のケースがエボラ出血熱の治療を受け治癒したものであると繰り返し、これまでにエボラ出血熱が再発したという報告はないとするとともに、今回の隔離措置は、性交渉による感染拡大のわずかな可能性を排除するためのものとしています。

2.エボラ出血熱について
エボラ出血熱は、患者の血液、分泌物、排泄物などに直接触れた際、皮膚の傷口などからエボラウイルスが侵入することで感染します。感染の拡大は、家族や医療従事者が患者を看護する際、あるいは葬儀の際に遺体に接する際に引き起こされることが報告されています。
予防のためのワクチンは存在せず、治療は対症療法のみとなります。潜伏期間は2日から21日(通常は7日程度)で、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・食欲不振などに始まり、嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。更に悪化すると、皮膚や口腔・鼻腔・消化管など全身に出血傾向がみられ、死に至ります。
エボラウイルスの感染力は必ずしも強くないため、アルコール消毒や石けんなどを使用した十分な手洗いを行うとともに、エボラ出血熱の患者(疑い含む)・遺体・血液・嘔吐物・体液に、直接触れないようにすることが重要です。また、治癒後も7週間は精液から感染する可能性があることが知られています。

3.参考資料
○ インド保健・家族福祉省のプレスリリース(11月18日)
http://pib.nic.in/newsite/erelease.aspx?relid=111541
○ 厚生労働省エボラ出血熱について」
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html
○ 厚生労働省検疫所/FORTH:「西アフリカでエボラ出血熱が発生しています」
  http://www.forth.go.jp/news/2014/04231037.html
○ 厚生労働省検疫所/FORTH:エボラ出血熱について(ファクトシート)
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/10091357.html
○ 国立感染症研究所:「エボラ出血熱とは」
  http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebora-intro.html
○ 国際保健機構(WHO): Ebola virus disease (英文)
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs103/en/
○ CDCにおけるエボラ特設ページ(英文):
  http://www.cdc.gov